介護に対して理想を抱いて現場で働き始める人は多いが、理想と現実のギャップを目の当たりにして仕事のやりがいを見失ってしまうことはよくあることだ。
自分が介護をすると、誰もが元気になっていって円満な雰囲気の職場ができるという様子を想像していることは多いようだ。しかし、基本的には介護現場では、QOLの向上のために介護従事者が努力を重ねている傾向が強く、大きな改善が見られることはあまりないようだ。
このような理想と現実のギャップを感じてしまっても、長く働いているとだんだんとやりがいが見出されてくる傾向がある。冷静になって現場を見てみると、介護を受けている利用者が感謝してくれたり、その家族から喜ばれたりしていることは多いようだ。ただ、それが自分の介護によってもたらされたものではなく、他の人の努力によって感謝を受けているケースが大半を占めているのが、働き始めの人に共通する点でもある。
その状況から脱却するためにスキル不足を解消し、現場経験を積んで知識を蓄えていくと、自分の力で感謝されるような介護を行えるようになっていくことだろう。さらに勉強を重ねて、他の人にはできないような対応を取れるようになると仕事が充実するようになってやりがいを感じられるのである。新人の段階から抜け出して、自分の判断で適切な介護を行える段階にならなければならないため、月日がかかることは否めない。しかし、地道に働いていれば着実に能力は高まっていき、仕事にやりがいを見出だせるようになるだろう。